ストーンヘンジその秘めたパワーとは?
ストーンヘンジ、それは大きさ5メートル超、最大級の石は重さ50トンを超える巨石群。夏至や冬至の日の出・日の入り・月の出・月の入りなどの方位に合わせて配置されている。
天文観測目的にて建造されたと言われるが、余りの巨大さから、それ以外の目的もあったと考えられている。
実は、ストーンヘンジを構成する石材にヒントがある。外周部分に使われている巨大なサルセン石、これは数十キロ離れたエイブベリーで産出された。また、内側に配置された各4トンのブルーストーンは、240キロも離れたプレセリ山脈から運ばれた。
こんな遠いところから運んで来るのは、この石には特別な意味があるはずである。それは癒しの力を期待したのではないか?
古来、世界各地で巨石が信仰対象とされ、癒しの力を期待されてきた。つまり、ストーンヘンジとは、巨石のパワーと天体のパワーの相乗効果による、癒しの力を期待した施設だったということも、決してあり得ない話ではないのではなかろうか。
事実、ストーンヘンジ周辺数キロ範囲のエリアで、ケガを負った状態の古代の遺骨が見つかっている。一部の研究者は、その人々は癒しの力を求めてストーンヘンジを訪れたと見ている。
その中には、海を渡ってきた人々も含まれていた。ストーンヘンジの近くに埋葬されていた10代の少年の遺骨から、地中海出身ということが分かった。
また、ストーンヘンジから5キロ離れた町で見つかった4500年前の遺骨は、左ひざにケガの痕が有り、1000キロも離れたアルプス地方の出身であった。
これほど遠くから癒しを求めてやって来たのだとすれば、古代のストーンヘンジの評判は、とても広範囲に広まっていたに違いない。
そして近年、ストーンヘンジの周辺で、いくつかの大きな構造物が発見された。まず、ストーンヘンジ北東3キロのダーリントン・ウォールズには集落跡。その少し南のウッドヘンジは、ストーンヘンジを鏡映しにした場所に位置している。
また、ダーリントン・ウォールズ近くのエイボン川を下ると、ブルーストーンが環状に並んだブルーヘンジがあり、そのブルーヘンジからストーンヘンジまで、道がつながっていた事が判明している。
この位置関係を見るに、この広大な領域は1つの施設として使われた可能性が高い。ストーンヘンジ一帯が、総合病院=癒しのセンターとなっていたのではないか?
もしそうであれば、ダーリントン・ウォールズは宿泊施設、ウッドヘンジやストーンヘンジが癒しの施設。亡くなってしまった人々は、エイボン川を下ってブルーヘンジへ運ばれ火葬後、ストーンヘンジへ運ばれたと考えられている。
ストーンヘンジは癒し(治療)の場であり、葬儀の場でもあったということになる。