切り裂きジャックが登場する100年前、同じロンドンを震撼させた、もう一人のジャックとは?
1900年代初頭 「ばね足ジャック」なる怪人が、人々を震え上がらせた。
多くの目撃情報があったのは、ロンドン南西部のバーンズ広場付近であった。目撃者達の証言によると、「恐ろしい悪魔のような人間が、宙にはねあがった。」と、怪人のジャンプ力は驚異的で、ばね足ジャックの名を欲しいままにしていた。
怪人のターゲットとなるのは、主に若い娘であった。南ロンドンのパブで働く、農家の娘ポリー・アダムズが襲われた。その際に怪人は、硫黄のような匂いの炎を吐き、彼女の顔を熱し、服を下着ごと引きちぎった。余りの恥ずかしさにポリーはうずくまり、怪人は高笑いをあげ、空高く飛び上がり雑木林に消えた。
目撃情報から怪人の容姿が判明する、悪魔の様な顔つきに真っ赤な目。口からは青または白の炎を吐き、頭には角があったという。
さらに、ピッタリとした光沢のあるスーツを身にまとい、マントを羽織り、手にはかぎ爪を付けていた。
警察や自警団は懸賞金をかけ捜査を行ったが、怪人の逮捕には至らず。ついに、ロンドン市内で人を襲うようになった。
1904年 この日を最後に、怪人の目撃情報は途絶える。この日、イギリス北部の港町、リバプール エヴァートン地区。歩道と屋根をピョンピョンと跳び回り、人々を驚かせた。
これを捕まえようとする住人もいたが、怪人は甲高く笑い、そのまま姿を消した。
怪人の正体は、人間かUMAの類いかも分かっていない、謎のままである。