伝説と黄金に富むミュケナイとは?
ミュケナイとは紀元前3000年頃に、ペロポネソス半島に南下してきたアカイア人(最初のギリシャ人)が築いた王国である。
ミュケナイ文明(またはミケーネ文明)は紀元前1400年頃、ミノア文明を吸収し、エーゲ文明後期の中核となった。最も栄えたのは紀元前16~12世紀で、ミュケナイの遺跡は、巨石を使った城壁に囲まれている。
獅子のレリーフが施された獅子門
獅子のレリーフが施された獅子門を抜けると、1876年 ハインリヒ・シュリーマンによって発掘された円形墓地A、その後に発見された円形墓地B、神殿跡、アトレウスの宝庫(アガメムノンの墓)などを望める。いずれも、巨大な切り出した岩を用いて造られた遺構である。
黄金の仮面と黄金製品
円形墓地Aから、黄金の仮面と胸当てをつけた男性のいた男性の遺体や、膨大な黄金製品などが出土した。この事から、この墓がミュケナイの王アガメムノンのものだと考えられた。
トロイアの位置
しかし、後に円形墓地Aは、アガメムノンより以前の王のもと考えられる様になった。何故ならば、アガメムノンはトロイア戦争時、ギリシャ連合軍の総大将であったのだが、トロイア戦争は紀元前1230~1200年頃と推定される。つまり円形墓地Aの方が古いのである。
さらに謎がある、遺跡からは黄金などの財宝と一緒に、線文字Bと呼ばれる古代ギリシャ文字が刻まれた粘土板が発見されている。そこに刻まれていたのは、人口調査・財産目録などの事務書類であった。王や王族について事は刻まれておらず、アガメムノンの伝説やホメロスの「イリアス」の原形となる記述もない。
ミュケナイ(ミケーネ)支配地域
ミュケナイ(ミケーネ)を支配していた者達の、真の正体は、今なお不明なままである。