英雄ギルガメシュが聞いた洪水伝説とは?
英雄ギルガメシュ、彼はウルクの王である。ギルガメシュは3分の2が神であり、3分の1が人間であったと言う。
その英雄ギルガメシュに、こんな逸話がある。ギルガメシュは親友を神の怒りによって失い、それ以降、死を恐れる様になった。
この為、ギルガメシュは不老不死を求め各地をめぐる。その中で、ウトナピシュティムと名乗る人物と出会う。そして彼から、神がかつて起こした大洪水の際に、箱舟を造り難を逃れた話を聞かされる。
ウトナピシュティムと別れた後も、ギルガメシュは不老不死を得る事は出来なかった。失意のうちに、ギルガメシュはウルクに帰還したと言う。
この話は単なる「伝説」で、つまりフィクションであると思われていた。しかし、ギルガメシュが聞いた大洪水の話は、本当だった可能性が高い。
何故なら、ウルクの発掘の際に深く遺跡を掘り進んだ所、シュメール文明の遺物が出なくなった後に、厚さ約3メートル程の洪水層を発見した。
また、世界の至る所に、かつて大洪水が起きたという伝説が残っている。
「ギルガメシュ叙事詩」の「箱舟」という言葉からも、「旧約聖書」のノアの原形がウトナピシュティムであることは、ほぼ確実とされている。
そして、ギルガメシュ自信も古代メソポタミアの他の神話や叙事詩に登場する事から、紀元前2600年頃にウルク第1王朝の王として、実在した事は確実とされている。