それは、アインシュタインが予言した奇妙な天体でした。
2019年4月10日 天文学史上画期的な発表が,世界で同時に行われました。
M87銀河の中心の巨大ブラックホール
人類が初めて目にしたブラックホールの姿です。
重さは太陽の65億倍
一般相対性理論
100年前アインシュタインが提唱、重力が空間や時間を歪めると言う考えです。
ブラックホールは、アインシュタインの理論をもとに考えだされました。ですが、それを言い出したのは、カール・シュバルツシルト(1873~1916)別の物理学者でした。
理論の元になっているにもかかわらず、アインシュタイン自体は、現実にはそんなものはないだろう、と言っていたらしいのです。
ではなぜ、これまで私達は、ブラックホール見たを事がなかったのでしょう?
それは、ブラックホールから光が出ていないので、観測の仕方がわからないのです。
それ故に、ブラックホールをとらえた、画像が一枚も存在しなかったのです。
そこで科学者は総力を挙げて、ブラックホールの観測に挑みました。
岩手県奥州市 2018年6月 ブラックホール観測の日本のリーダーを務める
本間希樹(まれき)(国立天文台 水沢VLBI観測所 教授)
本間さんはブラックホールの観測に、10年と言う歳月をかけてきました。
望遠鏡を向ける先は、地球から6千万光年離れたところにある 、乙女座の銀河団です。
その中に、ひときわ大きな星の集団があります、M87銀河です。
その中心にブラックホールがあることを、観測データは示唆していました。
ですが、その姿を見た者はおりません、なぜならその姿をとらえるためには、地球から月面に置いたテニスボールを、見分けられるほどの超高性能の望遠鏡が必要だったからです。
地球サイズの超巨大な望遠鏡
そこで本間さん達は、世界の科学者と協力し8つの電波望遠鏡を束ねて、同じ天体を観測するプロジェクトを立ち上げました。
離れたところにある複数の電波望遠鏡を使うことで、地球規模の超巨大望遠鏡で見るのと同じ性能が得られます。
人間の視力は1.0前後ですが 、この望遠鏡の視力は300万 。
2017年4月 世界同時観測が始まりました 。
南極 ・北米 ・南米 ・ヨーロッパ で観測したデータは、1カ所に集められます。
実はここからが正念場で、8カ所に分かれ観測したために、 そのデータにはズレやばらつきがあります。そのままでは画像はぼやけているので、鮮明にしなければなりません。
1年以上かけて画像処理の為の、プログラムを開発しました。
2018年6月6日 観測から1年、 開発したプログラムを使って、実際の観測したデータを画像化できるようになりました。 ぼんやりと明るい部分と暗い部分が現れ、さらに処理を進めていくと、鮮明な画像が現れました。
海外でも違う手法で取り組み、日本の結果と同じになれば、ブラックホールを正確にとらえたことになります。
ブラックホールの本当の姿
ついに私達はブラックホールの本当の姿を、目にしたのです。
直径400億km 太陽から冥王星までが、
すっぽり入るほどの超大巨大ブラックホールです。
その周囲を明るい光のリングが、取り囲んでおります。
光を出さず真っ暗なはずのブラックホール、そのブラックホールが光るのは、強力な重力で周りからガスを集めいるのです。
ブラックホール自身は何も出さないが、吸い寄せられてくるガスが明るく輝くことで、非常に明るい状態になります。
ガスの明るさが画像の上下で異なる点は、ガスが回転していてブラックホールの下側から向かって出てくるガスが明るくなり、遠ざかっていくガスが暗くなると言う現象によって、
明るさの差が生まれるのです。
地球から見てガスは、縦方向に回っていると言うことです。
輝いている部分の温度は60億度、太陽の中心部の400倍にも達する宇宙随一の超高温です 。
かつてアインシュタインが予言した、奇妙な天体ブラックホール。
それは周囲のものを引き寄せ、強烈に輝く天体だったのです。
www.occulthiroba3088.com
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参考元 NHK